ひび割れ女子高生

女子校で凝固し粉砕され霧散しかけています

隙間

夕食のとき、自分の将来について両親と話した。「あなた達が稼いだお金で生きていく、お金がなくなったら自殺する」とは言えず、適当な大学に行って適当なところに就職して社会人3年目くらいにそこそこの男と結婚する、なんていう、頭を一回転すらさせていないようなありきたり未来計画を話してしまった。嘘だとバレている、それをわかっていて嘘をつく。子どもの頃からの悪い癖。

多分、未来のことについてはあまり考えないほうがいい。私は、未来について考えている時は必ず、過去について考えている。考えるときはいつだって、それまでに蓄えた手持ちの言葉を組み合わせているだけで、自分でそれらの言葉に与えているイメージを変化させることをしない。未来の私が違う言葉の世界にいることを忘れている。だから私は、未来について考えることができない。私は、言葉を混乱を催す方法で使ってしまっているのだ。「未来について考える」という表現に対応するものは、そもそも存在しなくて、いちばん近いのは「いま」「ここ」への集中くらい、そんな気がする。過去についての考えごとを未来についてのものだと思い込む、そんな風にしてつくられた、私と世界との間の小さな隙間は、私が成長していく方向を僅かに捻じ曲げて、長い時間が経ったいつか、私を根元から倒してしまう、そんな気がする。